オフィスにおける原状回復について
原状回復とは、オフィスの退去時に、入居したときの状態に戻し、貸主に引き渡す事です。
住宅用賃貸とは義務付けられている原状回復の範囲が異なるため、
オフィス・事務所用賃貸における原状回復の考え方についてご紹介していきます。
〇原状回復すべき範囲
賃貸オフィスはほぼ100%の原状回復の義務が課せられることが多いですが、
範囲については契約内容によって異なるため、まずは契約書を確認する事が大切です。
原状回復の範囲として、具体的には以下のような例が挙げられます。
・入居時にオフィスに持ち込んだ家具、備品等の撤去
・パーテーションの撤去
・カーペットの撤去
・床下配線の撤去
・壁紙や床板の張り替え
・看板の撤去
・造作物の撤去
・壁や天井、床等のクリーニング
〇原状回復の流れ
①契約書の確認
賃貸契約書を参照し、原状回復の範囲を確認します。
②施工業者に問い合わせ
オーナーや管理会社指定の業者があればその業者に、なければ自社でピックアップし、問い合わせをします。
※原状回復工事は契約書上、オーナーが業者を指定していることが一般的です。
工事の内容や費用面の行き違いをなくすため、業者に現地調査に来てもらい、すり合わせを行なった後、見積もりを作成してもらいます。
③原状回復工事の発注・着工
見積もりの内訳に合意できたら、施工業者と本契約を結び、打ち合わせをしながら、スケジュールに沿って工事を進めて行きます。
③施工完了・引き渡し
予定通りに工事が完了したら、オフィスの引き渡しを行います。
〇原状回復の注意点
☆原状回復の範囲を明らかに
原状回復の範囲をしっかりと確認せず、工事を行ってしまうと、回復が不十分になったり、必要な範囲を超えた工事を行って無駄な費用を発生させてしまう事にもなります。
オーナーや管理会社と工事内容を確認、すり合わせを行うなどし、範囲を明確にしておきましょう。
☆スケジュールの確認
原状回復工事は、オフィスの退去日までに工事を完了させ、引き渡しを行わなければなりません。
工事が退去日までに完了しなかった場合、追加で賃料が発生するケースもあるので、余裕をもったスケジュールで進める事が大切です。
入居中のオフィスの退去を通知する、「解約予告」を含めたスケジュールを設定するようにしましょう。
一般的に、解約予告は退去日の6ヵ月前に行います。
またオフィスの広さやレイアウトの作りこみによって異なりますが、原状回復工事には3週間~4週間程度かかります。
そのため引っ越しは、遅くとも賃貸借契約満了日の1ヵ月前には済ませる必要があります。
☆原状回復工事実施可能日の確認
工事をする箇所やオフィスの場所によっては、周囲への影響をおさえるため、工事可能な時間や曜日が限定されている事もあります。
オーナーや管理会社にあらかじめ確認をしてから、スケジュールを立てるようにしましょう。
以上、原状回復工事の流れや行う際の注意点をご紹介しました。
後のトラブルを避けるためにも、工事項目や内容の合意をしっかりと行い、綿密なスケジュールを立てて行うようにしましょう。